塗料について

  • 塗料ってどんなもの?

    ものを保護したり、美しく見せたり、独自の機能を付与するために、その表面に塗りつける材料の総称です。

  • ニスってどんなもの?

    木材の上に塗装し、木目を生かしながら表面をコーティングして木を保護する塗料の一種です。

  • ニスとペンキってどう違うの?

    マヨネーズやアイスのように成分による法的な区分けはありませんが、塗料の中でも木材に塗装してその木目を生かす塗料をニス、下地を塗り潰して仕上げる塗料をペンキと呼ぶことが多いです。

  • 塗料って何でできてるの?

    大まかなくくりで説明すると、膜を作る成分である“樹脂”、色をつける成分である“顔料”や“染料”、性能を調整する各種の“添加剤”、それらを溶かす“溶剤”からできています。

  • 油性やウレタンってどういう意味?

    使っている材料によって区分するときの呼称です。
    水性、油性、水溶性、ラッカーなどは塗料に含まれる溶剤の種類で分けた呼び方。
    ウレタン、アクリル、エポキシなどは、塗料に含まれる樹脂の種類で分けた呼び方となります。 

    溶剤による分類は、主にうすめ液の選び方や塗り重ねの相性に影響が出る分け方、樹脂による分類は、主に仕上がった作品の強度などに影響が出る分け方となります。

  • うすめ液はどうやって選べばいいの?

    使用する塗料のラベルや容器、またはその商品を紹介している各メーカーのホームページなどに、適したうすめ液の種類が記載されています。
    あらかじめ確認して、塗料にあったうすめ液を使用してください。

    相性の悪いうすめ液を使用すると、塗料が濁る、均等に混ざらない、塗ったあと乾かないなどの不具合が起こる場合があります。

  • ラベルの色見本の色と、店頭にある板の見本の色はどちらが正確?

    板の見本が正確です。

    ラベルは経年劣化で色が変わっている場合がありますが、板には実際の塗料が塗られています。
    (印刷物は紫外線の影響で色褪せが進む傾向があり、店舗の照明でも少しずつ色褪せが起こります)

    弊社はできるだけ商品棚に塗り見本を貼付するようにしておりますので、店頭では板見本に重点を置いて確認してください。
    塗装する木の色や吸い込み具合によって仕上がりの色が変わる場合がありますので、必ず試し塗りをしてから本塗装に入ってください。

  • 水性塗料の特長は?

    水性塗料は材料を“水”に混ぜてあります。

    水を使っているため低臭タイプの塗料が作りやすく、室内で塗装する場合や、屋内に置く作品に好まれる傾向があります。
    乾いた後も水に溶けると誤解されていることがありますが、商品によっては実用家具にも使えるほどの耐水性を得ることができます。

    水性の塗料をうすめたり、使った用具を洗う場合は“水道水”を使います。
    うすめ液を購入する必要はありません。

  • 油性塗料の特長は?

    油性塗料は材料を“石油系の溶剤”に混ぜてあります。

    石油系の溶剤を使っているため、溶剤独特の臭いがあります。身近なものでは灯油のような臭いです。
    塗装中、乾燥中はもちろん、塗料が乾いた後もしばらく臭いが気になることが多いため、充分な換気が必要です。
    また、引火性(火種があると燃える性質)があるので、必ず火の気がない場所で塗装や乾燥を行なってください。 

    油性の塗料をうすめたり、使った用具を洗う場合は“ペイントうすめ液”を使います。
    和信ペイントでは“難燃性ペイントうすめ液”といううすめ液も販売しており、こちらも油性の塗料に使用できます。
    また、塗装業者さんなどはペイントうすめ液のことを“塗料用シンナー(トシン)”と呼ぶことがあります。

  • ラッカー塗料の特長は?

    ラッカー塗料は材料を“ラッカーシンナー”に混ぜてあります。

    ラッカーシンナーはペイントうすめ液に比べて溶解力が強く、乾燥性に優れています。
    この影響でラッカーの塗料は乾きが早い傾向がありますが、溶剤を使っているため臭いがあり、塗装中・乾燥中はもちろん、塗料が乾いた後もしばらく臭いが気になることが多いため、充分な換気が必要です。
    また、引火性(火種があると燃える性質)があるので、必ず火の気がない場所で塗装や乾燥を行なってください。 

    ラッカーの塗料をうすめたり、使った用具を洗う場合は“ラッカーうすめ液”を使います。
    和信ペイントでは“ラッカーうすめ液”の販売を終了しましたが、これは一般名称なので他社のラッカーうすめ液で代用できます。
    また、“難燃性ラッカーうすめ液”といううすめ液を販売しており、こちらもラッカー塗料に使用できます。

  • 水溶性塗料の特長は?

    和信ペイントでは、材料を“アルコール”に混ぜている塗料を“水溶性”と呼んでいますが、これは一般的な呼び分けではなく、アルコールに溶かした塗料も“水性”に分類しているメーカーもあります。 

    水溶性塗料はアルコール臭があるため、塗装中、乾燥中は充分な換気が必要です。
    塗料が乾いた後も、臭いが気になるときには換気を行なってください。
    また、引火性(火種があると燃える性質)があるので、必ず火の気がない場所で塗装や乾燥を行なってください。 

    和信ペイントの水溶性塗料をうすめる場合は、“水溶性ニス専用うすめ液”を使います。
    水を少量混ぜることは可能ですが、水彩えのぐに上塗りしたときに色がにじんだり、塗料自体が白く濁る場合があるためお勧めしていません。

    使った用具を洗う場合は、“水溶性ニス専用うすめ液”か水(水道水)で洗浄します。

  • ニスとステイン、オイルフィニッシュの違いは?

    いずれも透明性があり、木の木目を生かす塗料ですが、仕上がり方や使用目的に違いがあります。

    ニスは表面にコーティング膜を作って素材を保護する塗料です。
    性能は商品ごとに異なりますが、色付きのニスやつやを抑えた仕上がりになるニスもあります。

    ステインは無塗装の木部に使用する着色剤で、木に染み込んで色をつける塗料です。
    ステインは木を保護する能力や色をその場に留まらせる能力がないため、作品の目的によってはニスで上塗りする必要があります。
    2つの商品が必要になるため面倒にも見えますが、色つきニスはハケ目がそのまま色ムラになるため、大きな作品に色づけしたい場合などは、ステインであらかじめ色を安定させてから透明のニスを塗った方がきれいに仕上がることもあります。

    オイルフィニッシュは、木に塗料をすり込んで仕上げる塗り方で、ニスと違って表面にコーティング膜がつかず、ステインと違って上塗りせずに仕上げることができます。
    耐水サンドペーパーを使った研ぎ塗りや、塗装後の乾拭きを行なうことで、木が持つツヤを引き出すことはできますが、ニスを塗ったときのようなピッカピカのつやを出すことはできません。
    コーティング膜がない分、浸透する汚れに対する防御性能はニスより劣りますので、使い込むことで染みなどが付きやすい傾向があります。
    アンティーク風など、使い込んだ雰囲気が好きな方にとっては、好みに合った仕上がりと言えます。

  • との粉とパテ、コンパウンドの使い分けは?

    との粉は“木の目止め”、パテは“へこみや傷を平らにならす”、コンパウンドは“表面の微細な傷をならしてつやを出す”目的で使用します。

    との粉は石を細かく砕いた粉末で、水を混ぜて軟らかい粘土状にしたものを木の表面に塗りつけ、ウエス(いらない綿布)ですり込んだ後、表面の余った粉を取り除きます。
    との粉の使用目的は、無塗装木部の目止めです。
    目止めとは、木の導管(木が植物として生きていた頃に水や養分を吸い上げていた管状の器官)を埋め、平らにすることです。
    なお、との粉は粉末状の石なので、それ自体に固まる性質はなく、漆喰のように表面に塗りたくっても乾けば粉状に戻ってしまいます。
    このため、傷やへこみを埋める目的には使用できません。

    パテは練り状の商品で、傷やへこみに押し込み、乾かしてから表面を平らにならします。
    深い傷を一気に埋めると乾燥過程でひび割れが生じたい、深部の乾燥が不充分になることがあるため、深い傷は数回に分けて埋めていきます。
    との粉で傷やへこみを埋めることはできませんが、パテで目止めを行なうことはできます。
    しかし、パテを使った部分にニスを塗ると、木材の部分とパテの部分とで吸い込み方が極端に違うため、パテを使った場所がはっきりと分かってしまいます。

    コンパウンドはクリーム状の商品で、微細な研磨痕や表面の曇りなどを取り除き、つやを出すことができます。
    ただし、手で触れて分かるほどの凹凸をならすことはできません。
    サンドペーパーによる研磨傷を消す場合も、1500番以上の細かいペーパーでならした後の最終仕上げ用となります。