塗装について
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生木に塗れないと書いてあるけど、どんな木のこと?
地面に生えている木そのものや、生えていたものを切ったばかりで乾燥が不充分な木材を指します。
切り株も、地面に接していて根が生きていれば生木です。生木は水分を多く含んでいるため、塗装に適していません。
数年かけてじっくり自然乾燥するなど、木材の水分がなくなると塗装できるようになります。ホームセンターや材木屋で購入できる木材は、乾燥が終わっているため塗装できます。
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サンドペーパーって何?
紙に研磨材を塗布した研磨用の資材で、研磨紙とも呼ばれます。
研磨面がツルツルしてきたら新しいサンドペーパーと交換する、使い捨ての資材となります。サンドペーパーには、研磨剤の粒子サイズによって番号が振られており、この数字が小さいほど目が粗く、数字が大きいほど目が細かくなっています。
(例:60番は非常に粗く、2000番は非常に細かい)ニス塗りでは、素地の研磨に240番、塗り重ね前の研磨に400番を主に使用しますが、素材の状態や塗装目的によっては粗い番手や細かい番手が必要になる場合もあります。
また、サンドペーパーには“耐水サンドペーパー”と呼ばれるものもありますが、通常のニス塗りでは空研ぎ用のサンドペーパーを使うことをお勧めします。 -
塗装前に研磨するのはどうして?
仕上がりを良くし、仕上がった作品を長く使うためです。
表面が荒れてざらついている素材の場合は、表面を平らにして仕上がりを良くすることを目的に研磨します。
凹凸やちょっとした汚れなどを無視して塗装してしまうと、折角きれいに塗れても表面が平らにならなかったり、汚れが透けて見えるのでイマイチな仕上がりになってしまうことがあります。
事前の研磨を丁寧に行なうことで改善されますので、先を急がず、下準備をしっかり行なってください。
研磨は木の木目にそって行なうことで傷が目立ちにくくなります。
凹凸が大きい場合は粗い番手から始め、凹凸がなくなったら番手を少しずつ細かくしていき、最終的に240番ぐらいのサンドペーパーで仕上げてください。買ってきたばかりの木を塗る場合は、表面を少し荒らす目的で、240番ぐらいのサンドペーパーで研磨します。
カンナがかかっている木材は非常に表面がきれいですが、木の表面が整いすぎていると塗料は染み込みにくくなってしまいます。
塗料が染み込めなかった場合、密着不良を起こし、後で塗料が剥がれてしまうことがあります。
また、見えない汚れが付着していて塗料が弾かれてしまうこともあり、研磨することで表面の汚れを取り除くことができます。塗装面に上塗りする場合は、あらかじめ下地と上塗り塗料との相性(密着性など)を確認する必要があります。
(相性の確認方法は別項目をご参照ください)
相性が良くしっかり密着する場合でも、240~320番のサンドペーパーで軽く研磨し、表面に薄く研磨傷をつけておくことで、上に塗った塗料が密着しやすくなります。 -
塗った後も研磨するのはどうして?
表面の凹凸をなくし、きれいに仕上げるためです。
特に無塗装の木に1回目のニスを塗った後は、表面にざらつきが出ていることが多く、このざらつきを残したまま塗装を重ねても、表面はなかなかきれいになりません。
400番ぐらいのサンドペーパーで、軽く撫でる程度の力で研磨します。
手で触れたときに凹凸がなくなり、さらりとした手触りになっていれば大丈夫です。2回目・3回目の塗装を行なうときも、塗り重ねる前に研磨しておくことをお勧めします。
塗り重ねた後の研磨には、塗装したときのハケや塗りムラによる凹凸をならす効果と、表面にうすく傷をつけることによって上塗りした塗料が密着しやすくなる効果があります。
研磨傷が目立たないように、研磨は木目に沿って行なってください。
400番では上塗りしても研磨傷が気になる場合は、より細かい番手を使うことで改善されます。
仕上げ塗りをし、これで完成となったときには、研磨をせずに終了してください。 -
ハケを選ぶときのポイントはある?
ニス用のハケの中でも、適度なしなりがある毛を使ったハケをお勧めします。硬い毛のハケを使うと、ハケの跡がつきやすくなってしまいます。
また、水性の塗料に動物毛のハケ(特に新しいハケ)を使うと、使用中にハケが固まりやすい傾向があるため、水性の塗料にはナイロンなどの人工毛のハケをお勧めします。
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新しいハケを買ったときに気をつけることはある?
新しいハケには、しっかり留まっていない毛や、短い毛などのゴミが含まれているため、そのまま使うと塗装面がゴミだらけになってしまうことがあります。
これらのゴミを取り除く方法として、下記のような方法があります。- ハケを根元からしごいてゴミを飛ばす
- ハケを両手に挟んで回転させ遠心力でゴミを飛ばす
- 粗いサンドペーパーの表面にハケをこすりつけてゴミを取る
- ガムテープの粘着面をハケの毛先に押し当ててゴミを取る
時間に余裕があれば、事前に中性洗剤(食器洗い用の液体洗剤)を使ってハケを丁寧に洗ってゴミを取り除き、流水で丁寧にすすいでから毛先を調え、乾かしておくのも有効です。
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塗り始める前にやっておいた方がいいことはある?
必要な材料が揃っているか、汚れると困る場所は養生(保護)さてれているか、作品をどんな順番で塗っていくかを考えておく、などが必要です。
必要な材料が揃っているか
ニスの場合、塗料(ニス)と塗装用具(ハケ)があれば塗れるわけではありません。
下記の材料も必要です。- 塗料に適したうすめ液
- サンドペーパー(塗装前の研磨:240番、塗装中の研磨:400番)
- ウエス(いらない綿布)
- 養生用の資材
塗り終わってからうすめ液がないことに気づいてハケが洗えない、というお話も時折聞きます。
事前にしっかり準備をしてから、塗装を始めてください。汚れると困る場所は養生されているか
ホームセンターの塗装コーナーには“マスキングテープ”という養生用の紙テープが販売されています。
また、ビニールテープタイプの“養生テープ”もありますが、どちらを用いるかは作品の大きさや作業環境で選んでください。
塗装後に剥がすテープ類なので、強粘着タイプはできるだけ避けてください。広い面積を養生する場合は、新聞紙、ゴミ袋、ビニールシートなども利用できます。
ホームセンターでは“マスカー”と呼ばれる、テープ付きのビニールシートも販売されています。一般のご家庭で、ダイニングテーブルの上で作品を塗る場合を考えてみましょう。
まず、テーブルの上はしっかりと保護する必要があります。
何かの弾みに床面に飛び散るかもしれませんので、周囲の床面・壁面もある程度は養生した方が無難です。塗った作品を乾かす場所が別に必要であれば、乾燥スペースの養生も必要です。
小さなお子さんや、ペットを飼っているご家庭では、お子さんやペットが塗装中・乾燥中にその部屋へ入れないようにする工夫も必要になります。どんな順番で塗っていくか
塗装の基本は、“塗りにくいところを先に、塗りやすいところを後に”です。
立体的な作品を塗る場合は、一番きれいに見せたい面を最後に塗ります。椅子であれば座面や背もたれです。
最後に塗りたい面を一番塗りやすい置き方で塗ろうと考えたとき、一番塗りにくくなる場所が、最初に塗った方がいい場所になります。椅子であれば座面の裏側など、裏返さないと見えない場所です。室内の床や廊下を塗る場合は、“どこから塗り始めて、どこから自分が脱出するか”を考えます。
入口から部屋の奥に向かって塗ってしまうと、部屋の隅に自分を閉じ込めてしまい、乾くまで動けなくなってしまいます。
廊下の場合も、塗装後はしばらく通れなくなってしまうので、別の部屋を通って移動するなどの工夫が必要です。 -
何か塗ってある上に塗るときに気をつけることは?
もともと塗ってあるものとの相性(上塗りしたとき溶けないか、弾かれずに塗れるか、密着するかなど)がわからないため、事前に目立たない場所で試し塗りして、問題がない場合のみ実際に塗装してください。
試し塗りの手順
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表面を320~400番のサンドペーパーで軽く研磨し、ニスを塗装します
この際、下地が溶けたり塗った塗料が弾かれたりしないかを確認してください
塗ったニスの量が少なすぎると結果がよくわからなくなるので、何回か塗り重ねるか、気持ち厚めに塗装してください
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3~7日ほど乾燥します
乾燥期間が短いほど厳しいテストとなり、翌日にテストすると剥がれてしまうニスでも、7日間乾燥するとしっかり密着する場合もあります
時間に余裕がある場合は、7日間しっかり乾かすことをお勧めします
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ニスを塗った部分にセロハンテープを貼り付け、一気に剥がす
テープをしっかり密着させてから一気に引き剥がした時に、塗ったニスがフィルム状に剥がれてきた場合は、密着していませんでの、その塗料での上塗りは避けてください
セロハンテープに何もついていない場合は、しっかり密着していますので、上塗りできます
稀なケースですが、下の塗料ごと剥がれてしまった場合は、密着はしていますが下地がかなり傷んでおり、いずれ下地から剥がれてしまう可能性があります
この場合は、古い塗料を研磨で剥がしてから塗り直すことをお勧めします
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表面を320~400番のサンドペーパーで軽く研磨し、ニスを塗装します
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塗料を混ぜるのはちょっと振ればいいの?
色をつける成分などが容器の底に沈んでいることが多いので、念入りにしっかりと混ぜてください。
特に金属缶に入っている塗料は容器の内部が見えないため、混ぜ方が足りず、最初と最後で色が変わってしまったという話を聞くことがあります。
割り箸などの長い棒を容器の底に差し入れて沈んでいる成分をよく混ぜてから、改めて缶のフタを閉め直し、容器を上下左右に振って混ぜることをお勧めします。なお、水性の塗料が入っている缶を混ぜる場合、先端のとがった棒での攪拌は極力避けてください。
缶の内側にある保護膜(缶が錆びないように施しているコーティング)を傷めてしまう可能性があります。どろりとした硬い塗料は冬場など特に塗料が固くなるため、冷えていると液体が動かないことがあります。
暖かい部屋にしばらく置いておくなど、常温に戻してから混ぜてください。(例:油性ニス、工芸うるし等) -
缶のフタが開かないんだけど・・・
丸い缶と四角い缶で開け方が違います。
丸い缶の場合
丸い缶は、ドライバーなどを斜め方向から入れて、缶を少しずつ回しながらこじ開けるように開けます。
2周ほど回って開けるイメージです。缶に対して垂直にドライバー等を入れて、上にあげるだけでは、フタのフチがめくれて開けにくくなってしまいます。
缶オープナーと呼ばれる、缶のフタを開けるための道具もあります。
缶オープナーの場合は、垂直方向に入れて上にあげることで缶のフタを開けることができます。四角い缶の場合
四角い缶のフタは中央を押してへこませると開く仕組みになっていますが、輸送中に缶が開かないように、白いプラスチックキャップで保護されています。
まず、白いプラスチックの内側のリングを引き手にして、引き上げて外します。
金属のフタだけになったら、缶を平らで安定した場所に置いてから、フタの中央を押します。金属が反ることでフタが開きます。 -
塗料のうすめ方にポイントはある?
まず、うすめる目的は2つあります。
1つは塗料が固くて塗りにくいから軟らかくして塗りやすくしたい場合。
もう1つは、色が濃すぎるから淡い色にしたい場合です。塗料が固くて塗りにくい場合
塗料に適したうすめ液を加えて調整します。
うすめ液を混ぜる割合は、各塗料に記載されていますので、使い方をよく確認してください。
塗りやすさを優先してうすめ液を入れすぎてしまうと、乾きが著しく遅くなったり、きれいなコーティング膜が作れなかったり、木の吸い込みを止めきれず何度塗っても吸い込まれてしまうなどの不具合が起こる可能性があります。色が濃すぎる場合
同じ商品の中に透明にあたる色があるかどうかで混ぜるものが変わります。
色付きのニスをうすめたい場合など、同じ商品の中に透明にあたる色があれば、使いたい色物と透明を混ぜ合わせて色濃度を調整します。
同じ商品の透明を混ぜることで、塗料の性能はそのままに色の濃さだけを変えることができます。ステインなど透明にあたる色がない場合は、適したうすめ液を加えて色濃度を調整します。
色の濃さを調整した場合は、液体の見た目で色を判断せず、試し塗りをして仕上がりの色を確かめてください。 -
ハケでニスをきれいに塗るコツは?
うすく均一に塗ることです。
うすくと言っても“うすめ液を多く入れる”のではなく、“塗りつける量を減らし厚みを抑える”という意味です。
極端な例ですが、垂直面に塗装しても垂れてこない程度が理想的な塗布量です。少しでも早く仕上げようと、1回の塗装でたっぷりと塗りつけてしまうと、ハケを動かすたびに余分な塗料が押しのけられ、波のように盛り上がってしまいます。
表面に凹凸があると、色ムラやつやのバラつきが生じるため、きれいな仕上がりになりません。
また、厚塗りした場合は乾燥に時間もかかるので、かえって全体の工程が長引いてしまうこともあります。特に、無塗装の木に1回だけニスを塗った場合は、木がニスを吸い込んでしまうため、塗った直後は光っていても、乾くとつやがなくなってしまいますが、これは正常な仕上がりです。
この後研磨と塗装を繰り返すことで、つやは確実に出てきます。ハケに塗料をつけすぎないようにして、手早く塗り広げ、乾く前に余った塗料を取り除きながら木目に沿って調えるというのが基本の塗り方です。
一筆書きにする必要はなく、乾く前であれば同じ場所を何度でも塗り直せます。 -
スプレーでニスをきれいに塗るコツは?
まず、使う前にスプレー缶を上下によく振り、塗料を充分に混ぜておきます。
スプレー缶は容器内で細い管を通って噴霧されていますが、混ぜ方が足りず下の方に成分が沈んでいると、沈んでいる成分を吸い上げてしまい、内部で詰まってしまうことがあります。和信ペイントでは“水溶性つやだしニススプレー”以外のスプレー塗料に攪拌用の玉を入れています。
振ったときにカチカチと音が鳴るようになってから、さらに30回くらい振ってください。スプレータイプは霧状に塗料が噴霧されるため、思わぬところに塗料がついてしまうことがありますので、床・壁・天井などを充分に養生するか、屋外で塗装してください。
下図のように、塗り物の面よりも左右にはずすように大きめに吹き付けてください。
作品の真上で折り返してしまうと、両端にかかる塗料が多くなるため、厚みに差が出てしまいます。スプレーで塗装する際は、作品と吹出し口との距離に気をつけて塗装します。
作品との距離が近すぎると泡が生じ、遠すぎると作品に届く前に空気中で塗料が乾いてしまい、表面がザラザラに仕上がってしまいます。
塗装に適した距離は商品に記載されていますので、使い方をよく確認してください。塗装が終わったら、詰まりを防止するため管の中に残っている塗料を押し出しておきます。
容器を上下逆さにして、塗装する際と同じようにボタンを押します。
はじめは塗料が出てきますが、2~3秒押し続けると塗料が出てこなくなりますので、塗料が出てこなくなったらボタンから手を離し、缶を元の向きに直してください。
吹出し口についている塗料をウエスで拭き取ってから、フタをして保管します。この後処理を“逆さ吹き”と呼んでいます。
詰まり防止のお手入れは、乾燥待ちをする場合も行なってください。 -
塗ると泡が出るんだけど・・・
塗った直後からある泡か、塗り終わってしばらくしてから出てくる泡かで原因が異なります。
塗った直後に泡が出る場合
塗料の中に泡が含まれている場合と、塗り方によって泡が生じている場合があります。
混ぜたばかりで塗料の中に泡が含まれている場合と、塗るときの動作によって表面で泡を起こしてしまっている場合があります。
塗料をよく混ぜることは非常に重要ですが、混ぜる際に塗料の中に多くの空気が含まれてしまいます。
この場合は、よく混ぜてから10~30分ほど置くことで泡が抜け、塗りやすくなります。せっかく混ぜたものを置いておいたらまた沈んでしまうのではと心配になるかと思いますが、1度充分に混ぜた後であれば、容器の上下を数回入れ替える程度の混ぜ方で全体が均一になりますのでご安心ください。
ハケの動かし方によって泡を起こしてしまっている場合、塗り方にいくつかの傾向があります。
1つは、ハケの動かし方が早すぎる場合。
もう1つはこまめにハケをつけたり離したりしている場合です。表面をぽんぽんと叩くように塗ったり、数cmごとにハケを離して塗っている場合は、表面に泡が起こりやすくなります。
全体に塗料が行き渡ってからで結構ですので、ハケで塗るときは端から端まで、一気に塗ることをお勧めします。塗り終わって乾燥中に泡が出てくる場合
木の導管にあった空気が出てきている可能性があります。
導管が大きい素材はあらかじめとの粉で目止め処理をしておくとこの現象の予防になります。
すでに塗装を始めてしまった場合は、塗装・乾燥・研磨を泡が出なくなるまで(導管が埋まるまで)繰り返すか、塗った塗料を研磨で剥がして目止めからやり直すかの二択になります。 -
塗った塗料が乾かないんだけど・・・
各商品に記載されている“乾燥時間”は、“適量を塗布し20℃の環境に置いた”場合の目安になりますので、まずは記載されている時間が経つまでお待ちください。
記載された乾燥時間を大きく過ぎても乾かない場合は、何らかの要因で乾燥不良を起こしていると思われます。
ほとんどの場合、下記のいずれかに該当します。1.気候条件など
気温が低い、湿度が高いなど、塗料が乾きにくい環境の場合は、乾くまでに時間がかかる場合があります。
屋内であればエアコンなどを使って室温や湿度を調整すると効果的です。2.厚塗りした
塗料を1度にたっぷりと塗ってしまった場合は、表面が先に乾いてしまい、中が膿んだような状態になることがあります。
この場合、そっと指で触れても塗料は手に付かないのに、押すと指の跡が残ることが多いです。時間の経過と共に乾いていく傾向があれば、時間はかかれどいずれ乾く見込みがありますが、何日経っても状況に変化がない場合はそれ以上乾かない可能性があります。
いつ乾くかわからないものを待てない場合や、乾く見込みがない場合は、塗料を研磨で剥がして塗り直すことをお勧めします。3.適していないうすめ液を使った
塗料に合っていないものでうすめてしまうと、何日待っても乾かない場合があります。
この場合は、塗料を研磨で剥がして、適したうすめ液を使って塗り直すことをお勧めします。4.しっかり乾く前に上塗りしてしまった
先に塗っていた塗料が乾ききる前に塗ってしまった場合や、乾かない塗料をフォローするつもりで上塗りした場合などに、下地の影響を受けて上塗り塗料が乾きにくくなってしまうことがあります。
時間の経過と共に乾く場合もあれば、いつまで待っても乾かない場合もあります。
1回1回、しっかり乾かしてから上塗りしてください。5.塗った素材が乾いていなかった
乾燥不足の木材や、乾いていない油脂(不乾性油)が染みこんでいる木材に上塗りすると、上塗りした塗料まで乾かなくなる場合があります。
この場合は、まず塗った塗料を剥がしてください。
素材が水で濡れている場合は長期間じっくり乾燥させればいずれ濡れるようになります。
油脂が染みこんでいる場合は、浸透した部分を研磨で取り除いてください。 -
溶剤系(油性・ラッカーなど)塗料の臭いを早くなくす方法はない?
まずは臭いの発生源となっている作品を屋外などに移動し、強い臭いが収まるまで屋内に移動しないことをお勧めします。
次に、とにかく換気をして、空気を入れ換えることが重要です。
臭いの元となっているのは揮発した溶剤(有機溶剤)ですが、この有機溶剤には空気より重い性質があるため、換気扇や高所の窓を開けるより、掃き出し窓やドアを開放した方が効率的に換気ができます。扇風機やサーキュレーターなどを使用する場合は、塗料が乾いてから、床などの低い位置に風を送り、開けた窓やドアの方へ押し出してください。
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透明のニスを塗ったのに木の色が変わったのはどうして?
塗料が飴色(ハチミツ色)に仕上がるタイプだった場合と、木材自体の性質による変化が考えられます。
塗料の性質による場合
塗料として顔料(色を付ける成分)は入れていなくても、樹脂(膜を作る成分)に色がついている場合があります。
この性質は油性系やラッカー系の塗料に多く見られます。
この場合は、塗った塗料を剥がし、飴色にならない塗料を使うことで改善が見込めます。木材の性質による場合
木材は乾いているとき、白ぼけて見える傾向があります。
ニスを塗ると、素材は濡れた色に変化して安定します。(濡れ色と呼んでいます)このため、乾いていたときと濡れたときで色に大きな差がある場合に“色が着いた”と錯覚してしまうことがあります。
下図は同じ板の乾いているときと、水拭きした直後を撮影したものです。濡れ色が強く出る素材の場合、ステインやニスで色をつけると、想定よりも濃い(あるいは暗い)色に変化してしまうことがありますので、あらかじめ素材を水拭きして濡れ色を確かめておくことをお勧めします。
水拭きした場合、一時的に色が変化しても、乾くと白ぼけた色合いに戻ります。 -
養生で貼ったマスキングテープは、いつ剥がせばいいの?
塗装が終わり、塗料が乾いたら早めに剥がしてください。
なお、数日の間に塗り重ねる場合は、塗るたびに剥がす必要はありません。
(例:床に塗装した場合は、仕上げ塗装後に塗装面を歩けるようになったら剥がす)乾いた後、いつまでもマスキングテープを貼りっぱなしにしておくと、テープの上に載った塗料が硬化してしまいます。
硬化した塗料ごとテープを剥がそうとすると、塗装面にひびが入ったり、塗料が剥がれてしまうことがあります。
塗料が乾いたら、早めに剥がしてしまうことがポイントの1つです。また、マスキングテープを剥がすときは、勢いよく剥がすのではなく、ゆっくりと丁寧に剥がしてください。
乾きたての塗料は硬化が進んでいないため、勢いよく剥がすと塗装面に悪影響が出る場合があります。