基本的な疑問について

ペンキとニスはどう違う?

どちらも“塗料”の一種で、法的に区分されているわけではありませんが、一般的には塗装した時に木目が隠れるものをペンキ、木目を生かすものをニスと呼んでいます

成分的には、ペンキは顔料(色をつける成分)が多く、ニスは樹脂(膜を作る成分)が多い傾向が見られます

ペンキもニスも、各メーカーから様々な製品が販売されていますので、まずは木目を生かしたいのか、隠したいのかでペンキとニスに大きく分け、その上で他の目的(用途や機能性を求めるか、つやの有無、臭いの有無を気にするかなど)に合う塗料を探すと、使う塗料を絞り込みやすくなります。

ニスとステインはどう違う?

ニスは膜を作って木の表面を保護することができますが、ステインは木に染み込むことで色をつける塗料で、木を保護する力は持っていません

ステインを塗っただけでは、触れた布に色が移ったり、水拭きをすると色が落ちたりすることがあるため、上からニスを塗って保護する必要があります

一見不便に見えますが、大きな作品に色をつけたいときや、木目を生かして濃い色に仕上げたいときには便利な塗料です

色つきのニスは手軽に使えるメリットがありますが、ハケ目がそのまま色の濃淡になる、部分的に塗ると仕上がりの厚みに差が出る、色を濃くすると木目が見えにくくなるというデメリットがあります

ステインは塗り重ねても塗膜(表面にできる塗料の膜)がつかず色の濃淡を調整しやすい、濃い色にしても木目が隠れにくいというメリットがある反面、ステインと合わせて上塗り用のニスを用意する必要があります

作品の大きさや目的に合わせて使い分けてみてください。

アクリルやウレタン、油性や水性ってどういう意味?

アクリルやウレタンは、膜を作る成分である“樹脂”の種類。油性や水性は、その樹脂を何に溶かしているかで分類した呼び分けです

和信ペイントでは、アクリル樹脂は乾いた後も表面に柔らかさが残るため“飾っておく工作品向け”、ウレタン樹脂は乾くと固い膜ができるため“実用的な作品にも使える”とご紹介しています。

樹脂の種類は作品の強度を左右する重要な要素なので、目的に合ったものを選んでください

 

また、和信ペイントでは“水性”、“水溶性”、“油性”、“ラッカー”という4タイプの塗料を販売しています

水性は水(水道水)、水溶性はアルコール、油性は石油系溶剤、ラッカーはラッカーシンナーに樹脂を溶かした塗料です

過去には“水性塗料は品質が悪い”という通説がありましたが、近年の化学力に後押しされて、性能はかなり向上しています

特に低臭である点が大きく評価されており、強い臭いがあるとご近所の方に迷惑がかかってしまうから、庭でペットを飼っているからといった理由で、水系塗料を選ぶ方が増えています

また、使用後のハケを水道水で洗えるため、うすめ液を購入する必要がなくて経済的という点からも水性塗料が好まれています

オイルフィニッシュって何?

拭き上げることで表面にニスのような膜を作らず、木の手触りと質感を生かす仕上げをオイルフィニッシュと言います

和信ペイントにはオイルフィニッシュ用の塗料として“ウッドオイル”、“木彫オイル”、“和(なごみ)”という3つの商品があります

ニスに比べると耐久性や防水性が弱くなりますが、木彫りの作品やアンティーク調の家具など、木地を生かした落ち着いたつやに仕上げたい作品に最適です

 

“ウッドオイル”は塗装後に乾拭きすると素材の奥深いつやを引き出し、研ぎ塗りと呼ぶ工程を行うことでサラリとした手触りに仕上がります
成分に油脂を含むため、表面はすぐに乾きますが深部の乾燥には時間がかかります

“木彫オイル”は厳密にはオイルではなく、ウレタン樹脂を使った拭き塗り用の塗料です
ウッドオイルと比べると乾燥が早く、つやが出やすいのが特長です

“和(なごみ)”はアクリル樹脂を使った拭き塗り塗料です
油脂も溶剤も含まないため低臭で、室内でも使いやすい特徴があります

いずれも商品単体で仕上げることができる塗料です

床用とフローリング用はどう使い分ければいい?

“床用”のニスは、昔ながらの板の間、無垢材の床に使用します

“フローリング用”のニスは、近年よく使われている合板のフローリング材(複合フローリング)に使用します

無垢材の床は塗ってある塗料を剥がすことで木の素地に戻すことができます

合板のフローリングはもともと表面にコーティングが施されていますが、このコーティングと“床用”のニスとの相性が悪く剥がれやすい傾向があるため、無垢材に使用するニスとは別に“水性フローリング用ニス”を販売しています

無垢材、フローリング材ともに、日頃ワックスでお手入れをしている場合には、ワックスを剥がしてからニスを塗装してください

床材