ニススプレーの塗り方

用意しておく物

  1. 使用する塗料
    作品の使用目的や、好みに合った塗料を選んでください
     
  2. 研磨道具
    240番と400番のサンドペーパーが必要です。空研ぎサンドペーパーを推奨します
     
  3. ウエス
    いらなくなった綿布で代用できます。タオル地は埃が出やすいので避けてください
     
  4. マスキングテープ
    塗りたくない場所を保護するために使います
     
  5. 新聞紙やビニールシート
    周辺の汚れ防止に使いま
     
  6. ゴーグル、マスク、軍手やビニール手袋など
    塗料の飛び散りによる汚れ防止に使います
     
  7. 汚れてもよい服装
    衣類に塗料がつくと、きれいに落とせません

 塗装を避けた方がいい環境

  1. 雨天や、湿度の高い曇天
    塗料が乾きにくくなったり、表面が白く濁ることがあります
     
  2. 極端に気温が高い日
    塗料の乾きが早すぎるため、失敗しやすくなります
     
  3. 極端に気温が低い日
    塗料が乾きにくくなります
     
  4. 強風
    風に流されて均一に塗りにくくなったり、塗装面にゴミがつきやすくなります

スプレー塗料の塗り方

1.塗装環境を整える

スプレータイプは塗料が霧状に噴霧されるため、できるだけ屋外での塗装を推奨します

霧状の塗料が風で流されて思いがけないところに塗料が付着することがありますので、汚れてはならない場所をやや広めに養生してください

屋外で塗装する際も、周辺への養生はしっかりと行なってください

 

2.塗料をしっかり混ぜる

スプレータイプの塗料は、容器内で細い管を通って噴霧されているため、容器の底に顔料(色の成分)やつや消し剤(つやを消す成分)などが沈んだまま噴霧すると、管の中に澱んでいた成分が一気に吸い込まれ、詰まりが生じる場合があります

容器を上下に30回以上、しっかりと振ってください

特に色つきのニスやつや消しのニスは、内部に入っている攪拌用の球が動き出してから、30回以上攪拌することをお勧めします

 

3.塗装1回目
faq_spray-paint

上図のように、作品よりも左右に外すように塗装します

作品の上で折り返すと、両端だけ塗布量が変わり、厚みの均一性が損なわれます

塗装する際は、作品から適度な距離(実際に使う商品の説明を参照)を保って塗装してください

距離が遠すぎると塗料が空気中で乾いてざらざらになり、近すぎると泡立ってしまいます
(下図参照)

スプレー失敗例

 

4.スプレーのお手入れ

スプレーの詰まりを防ぐため、吹き終えたスプレーに簡単なお手入れをします

容器を上下逆さにしてボタンを2~3秒押してください

容器内の管から塗料を押し出すための工程で“逆さ吹き”と言います

逆さ吹きをしてから容器を正常な位置に戻し、噴出口についた塗料を拭き取ってから、フタをします

 

5.完全に乾かす

容器に記載されている乾燥時間は20℃の環境で乾かした場合の目安であり、塗りつけた量が多い場合や、湿度が高い場合などには表記以上に時間がかかることもあります

 

6.塗装面を軽く研磨する(1回目)

400番の空研ぎサンドペーパーを使って、木目に沿って軽く研磨します

力を入れて研磨すると塗った塗料を剥がしてしまうため、軽い力で優しく研磨してください

この時、ニスが乾いていれば粉状の研磨カスが出ますが、乾いていない面を研磨すると、消しゴムのカス状の固まりの研磨カスが出ます

固まりの研磨カスが出た場合は、もう少し乾燥させてください

無塗装の木に1回だけニスを塗った場合、塗装前よりも表面がザラついていることがあります

これは最初の研磨で取り切れなかった木の繊維が、ニスを吸って起き上がったまま固まったためです

研磨することでこのざらつきを取り除き、表面を平滑にします

液垂れなど、ニスの厚みによる凹凸は、研磨でできるだけならしておきます

研磨が終わったら、研磨カスをきれいに取り除きます

 

7.塗装2回目

基本的な注意点は工程3と同じです

ほとんどの場合は木の吸い込みが止まっているため、1回目よりも少ない量で塗ることができます

立面に塗っている場合は、塗りすぎると液だれが起こりやすくなるので注意してください

 

8.スプレーのお手入れ

スプレーの詰まりを防ぐため、吹き終えたスプレーに簡単なお手入れをします

お手入れに関する注意点は工程4と同じです

 

9.完全に乾かしてから、仕上がりを確認する

乾燥に関する注意点は工程4と同じです

乾いた後の仕上がりが好みに合っていれば、そのまま完成となります

塗り足りないと感じる場合(色が薄い、つやが足りないなど)は、工程8へ移ります

 

10.塗装面を軽く研磨する(2回目以降)

研磨に関する注意点は工程6と同じです

表面に膜がつき始めているため、研磨すると表面に細かい傷がついて白く濁ったように見えますが、後ほどニスを塗ることでこの白さは解消されます

上塗りしても傷が気になる場合は、研磨に使うサンドペーパーの番手をより細かいものに切り替えます(サンドペーパーは番手の数字が大きいほど細かく、小さいほど粗い)

  • 研磨(工程10)が終わったら工程7に戻って塗装します(好みに合うまで繰り返し)

ワンポイントアドバイス

ニスの場合、“最後に塗ったもの”がつやの有無を決めます

色つきのつや消しに仕上げたい場合は、まず好みの色になるまで塗り重ねます

この時ギラギラのつやが出ていても問題ありません

色が好みに合ってからつや消しクリヤーを塗ると、好みの色のつや消し仕上げになります

色なしのつや消し仕上げにしたい場合、無塗装の木部に1回目からつや消しクリヤーを塗ると、つや消し剤(白い微粉末)が木の表面に取り残されてカビが生えたように見える現象が発生することがあります

透明クリヤーを1~2回塗って木の吸い込みを止めておき、仕上げにつや消しクリヤーを塗ることをお勧めします